さいとう正美2月定例議会での多彩な一般質問

 去る2月定例県議会において一般質問を行いました。
 主な質問は、本県の震災復興にとって喫緊なる課題を大綱四点にまとめ質問致しました。
 以下、質問と県当局の回答を記します。一日も早い完全復興を目指し県議会において大いに皆さんの意見を反映し実現するよう努力して参ります。

 

【教育問題】

1.教育再生実行会議等の議論を踏まえ、国では「道徳」を特別な教科に格上げし充実 強化しようと検討されているが、現在の動向について率直に 教育庁の見解を質す。   また、震災を経た児童生徒の心のダメージ回復、心身の調和した人間形成を図るた めにも、道徳教育の充実は喫緊の課題であり、全国に率先し取り組むべきであるが、 県教育委員会として重要と考える課題を伺いたい。
 
(回答)
⑴学校における道徳教育は、家庭教育と同様に人格形成の根幹に関わる重要なものと認 識している。今般、国において、戦後これまで行われてきた道徳教育における諸課題、 昨今の児童生徒を取り巻く環境や社会情勢の変化等を踏まえて道徳教育の見直しを行 い教育再生実行会議や中央教育審議会における様々な分野の有識者の議論を経て、道 徳を特別の教科とする方針を固めたものと考え時宜を得たものであると捉えている。 ⑵県教育委員会では道徳の授業のあり方や研究体制について、今年度から有識者等で構 成する道徳教育推進協議会を立ち上げ、来年度の提言取りまとめに向け、現在、議論 が続いている。また、我が県では独自に作成した「みやぎの先人集」を道徳の授業等 で活用、児童生徒に先人の生き方に触れさせ、故郷に誇りをもって自らの生き方を考 えさせる取り組みを進めている。今後もこのような取り組みを進め「児童生徒の気付 き」を重要な観点としながら、道徳的実践力を高めるよう努めていく。
 
2.国が全国の教育委員会に通知した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に 関する手引き」について率直にどう捉えているか。また、この手引の中で、県教育委 員会は市町村教育委員会に必要な指導、助言又は援助を行うよう記載されているが、 県教委としてどう対応していくのか。さらに、小中学校の統合によりスクールバスで 通学する児童生徒が増え、基礎体力の低下も懸念されるが、統廃合により懸念される 要素についてどう認識しているか。またその懸念について市町村教委にどう助言していくのか。
 
(回答)
⑴県教委では、平成18年度に小中学校の標準的な学級規模に関するガイドラインを示 したところである。小中学校の統廃合については、このガイドラインや今回文科省か ら示された手引を参考にしつつ、学校設置者である市町村において、主体的に検討さ れるべきものである。県教委としては、各市町村教委の方針を尊重し必要な情報提供 や助言をしていくと共に、教職員の加配等の支援を行っていく。
⑵学校が統廃合となった場合、スクールバス等の通学による体力の低下や児童生徒の学 習環境への不適応など、様々な懸念材料の存在は認識はしている。県教委としてはこ うした懸念の解消に向け、体育の授業の工夫や体力作りや統合前からの学校行事、部 活動等における児童生徒同士の交流を推奨し、スクールカウンセラーの配置による教 育相談体制の強化を行っている。また、これら諸問題の解決に向け各市町村教委を通 して各校に働きかけていく。
 

【災害復興公園の整備】

3.国営追悼・祈念施設の設置が昨年閣議決定されたが、現時点における整備の枠組み について県としてどうか。国の有識者会議において基本コンセプトが概ね了承された と聞くが、様々な意見を吸い上げ、納得出来る公園にすることが重要だ。委員会で示された内容の具体的な検討経緯についてどうか。国の集中復興期間が来年度までとされているが、基本計画の策定時期とその後の整備スケジュールについてどうか。また、 沿岸市町が独自に取り組む、地域の震災復興祈念公園に対する支援について、現状は具体的にどうか。
 
(回答)⑴昨年10月末の閣議決定においては、東日本大震災による犠牲者への追悼と鎮魂、震 災の記憶と教訓の後世への伝承、国内外に向けた復興に対する強い意志の発進を目的 とし、地方公共団体が整備する復興祈念公園の中に、国が中核的施設を設置すること にしている。国・県・石巻市が昨年3月に策定した基本構想の中では、主に追悼と鎮 魂に係る空間を国と県が連携して整備し、様々な市民ニーズを受け止める空間を石巻 市が整備することとしている。
⑵昨年8月、基本構想を具体化すべく国では県・石巻市と合同で「基本計画検討調査有 識者委員会」を設置。この中に、具体的な空間構成を検討する「空間デザイン検討部 会」と、植栽の配置や樹種を検討する「植栽計画検討部会」を設置し、各分野の専門 家に加え、市民活動に積極的に関わっておられる方々にも参加頂いている。各会議や 県民アンケート、南浜地区の住民との意見交換等々きめ細かく県民の意見を伺い、こ れらを踏まえ、本年2月に開催された有識者委員会において、基本計画が了承された ところです。
⑶今回の了承された基本計画案はパブリックコメント実施後に取りまとめ、基本計画の 策定・公表は、平成27年度の早い時期になると見込んでいる。国では、この計画に 基づき、同年中に設計に着手し、平成32年度を目標に整備を進めると聞いている。
⑷現在、復興庁と復興交付金の活用にについて協議中。協議が整い次第、基本計画に着手し、平成32年度の供用開始を目指し、整備を進めていく。
 

⑸被災市・町における追悼・祈念施設の整備については、復興庁から「復興のステージ の進展に応じた復興交付金の活用促進の方針」が示され、これに基づき各市・町の施 設整備を支援していく。
 

【沿岸漁業の復旧と課題について】

4.震災から約4年経過し、養殖施設やカキ処理場等の施設はどの程度まで復旧したの か。カキ、ノリ、ホタテ、ワカメ、ギンザケ等の養殖生産は、それぞれどの程度まで 回復したのか。また、「がんばる養殖業」事業の効果を県としてどう評価しているの か。さらに、本事業の継続の可能性は。事業終了後の支援は。
 
(回答)
⑴養殖施設については、ワカメ・コンブは震災前の状況まで回復。ホヤ・ギンザケは8 割、カキ・ノリは6割、ホタテは5割程度の復旧状態、カキ処理場は7割程度の復旧 となっている。また、養殖生産については、ワカメ・ギンザケは震災前の水準、ノリ・ ホタテは6割、カキは4割、ホヤは3割程度まで回復している。
⑵当該事業は、共同化により生産の早期再開を目的とし、人件費・資材費等、必要経費 を助成し水揚金で返還する仕組み。ゼロから養殖業を再開しなければならなかった生 産者にとって、再開を決意する上で大きな力となり、併せて養殖業の協業化が促進さ れる等有意義な事業でもあったと評価している。
⑶現在の事業は平成28年度までの支援だが、現在活用しているグループが、同じ内容 での期間延長はできない。一方、ギンザケ養殖については、事業終了後、「飼料効率 の改善」や「刺身商材向け活け締め定量出荷」等、新規事業として取り組む計画が認 められ、既に実施されている。県としては平成29年度以降の事業継続を国に要望し ており、他の養殖種についても新規事業の実施案について、生産団体の意向確認の上、 国と協議していく。がんばる養殖業の実施は作業の共同化・機械の共同利用を前提と し、県内各地でその取り組みが促進された。今後、経営基盤の強化に向け、これらの 取り組みが継続発展するよう指導を続け、より安定した生産体制の構築と収益性の高 い養殖経営と安定した経営体の育成を図っていく。
 

【仙石線全線開通に伴う今後の取組について】

5.5月30日に当初計画よりも数ヶ月早く全線運転再開し、仙石東北ラインも運行開 始するが、全線開通を迎えてどうか。また、「石巻あゆみ野駅」に広域的利用のため のパークアンドライド用駐車場を整備する場合の県の支援は。
  ハイブリッド型車輌の女川駅までの乗り入れとなれば、仙台から女川まで乗り換え 無しで往復出来るようになり、観光面でも多大な効果が期待出来るほか、沿岸被災地 の復興加速や発展への効果が大であるので、県が先頭に立って実現に向けて力を発揮 すべきと思うが。
 
(回答)
⑴仙石線は、仙台圏と石巻圏を結ぶ重要な幹線であり、両圏域の交流と活性化に大きな 役割を果たしてきた。今般、全線運行再開と仙石東北ラインの運行により、地域が強 く要望してきた所要時間短縮等の利便性向上が実現し、沿線地域の産業・経済・観光 振興への大きな波及効果も期待される。また、運休区間の野蒜地区においては、鉄道 の復旧が高台移転による安全なまちづくりと一体となって整備され、復興まちづくり の理念が具現化されることになる。仙石線の全線運行再開は単なる鉄道の復旧にとど まらず、沿線地域の復興地域の復興の弾みとなり、更なる復興の加速化につながるも のと大きな期待が寄せられているところである。
⑵パークアンドライドは、交通渋滞対策や環境対策等において有効な手法の一つと認識   している。石巻あゆみ野駅のパークアンドライド駐車場については、現在、東松島市 において設置についての検討が行われていることから、県としては広域的な利用が可 能な整備計画が具体化した場合には、駐車場整備の支援を検討していく。